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祝 奈良県医師会透析部会優秀論文賞受賞、2年連続の快挙!!

令和4年2月に開催されました、奈良県医師会透析部会、「第46回奈良透析学術総会」において、当法人所属の臨床工学技士、田仲直弘君が執筆した研究論文が、栄誉ある優秀論文賞を受賞致しました。
この論文のテーマは、コロナ対策で当法人が緊急採用致しました『最新型オゾン殺菌装置』の有効性と最適な使用方法を研究したものです。同賞の受賞は、昨年の、当法人の臨床工学技士、増谷芳恵さんの受賞に続き、2年連続、3回目の栄誉です。
部会50年近い歴史の中で、同施設の連続受賞は初めてで、大変な快挙です。著者の田仲君、主にご指導をして頂いた左官先生、またご協力を頂きました全ての方々、そして当方人に在籍されている全ての方々に謝意を表します。

当方人の透析医療の歩み

さてこの期をお借りして、これまでの当法人の透析医療への関わりと、独自の取り組み、そして研究成果、業績を、以下にご案内させて頂きます。
1993年(平成5年)の5月から透析医療を開始して以来、以後、奈良県下において、他院よりも一歩先んじた、最先端の医療技術を持った透析医療機関を目指して、日々努力と研鑽を積んで参りました。

研究への取り組み

まず最初の研究テーマは、1996年から数年間『椅子タイプでの血液透析の効果』への取り組みでした。当時は、「血液透析は、ベッドで寝て行うもの」であり、殆どの施設が全てベッド透析でした。この固定観念に疑問を持ち検証を始めました。結果として、「椅子での透析」の方が圧倒的に医療面でも経済面でもメリットが多い事が確認でき、今日では一般的になっている、「椅子での透析」普及に大きく貢献できたと思っています。1998年から数年間は、痛みを抑え、患者さん自身が針の穿刺を行えるようにする『穿刺ボタンホールの作成』に取り組みました。そしてこれによって自己穿刺が容易になり、1998年から準備を進めておりました『自宅で行う血液透析医療(以下HHD)』へと発展を遂げる事になりました。2002年には、『県下初のHHD導入』が行われましたが、患者さんが十津川村の山奥に居住されていたことから、『本邦初の外来通院での導入』という、大きな成果も得る事ができました。また、この患者さんの安全性を高めるため、現在の様なスマートホンや4Gシステムの無かった2004年に、電話回線のISDNを用いた『遠隔診療』を取り入れました。これによって、透析中のデータを常に知ることが出来、また当時は1秒4コマ程度の画像送信能力しかありませんでしたが、テレビ通話も可能になり、安心して遠隔、僻地での在宅透析が可能となりました。今思えば、我々の施設では既に20年前に遠隔診療を開始していた事になります。なお、これら一連の研究については、様々な学会でも発表をして参りました。特にHHDに関する論文で、2006年に当法人初めての優秀論文賞を受賞しています。(因みに、日本国内での在宅透析患者は、2020年現在では、750名、我々が導入を始めた2004年当時は、わずか110名しかいませんでした。)

現在の取り組み

その他の独自の取り組みとしては、『全自動型コンソール』の早期導入や、抜針時の出血を最小限に止めるための『出血アラーム装置』開発への助言と早期導入を行いました。2017年頃からは、業務効率と安全性の向上を目的として、IT技術の積極的な整備を進めています。その一例として、昨年末より、透析中のデータを自動記入する『エルゴシステム』を導入し、ヒューマンエラーの軽減を計っています。

先手を打ったコロナ対策

コロナ禍対策では、今回の発表にありました様に、新型コロナ対策として『移動型オゾン殺菌機』を早々に導入し、また施設の設備強化のため『感染症患者専用の透析室を設置』し、『強制陰圧装置』や『感染患者の移動用車椅子』の自家製作を行い各施設に配置を致しました。ソフト面でも、『感染症患者の移動方法』や『透析手順のマニュアル作成』などを症例発生前に作成、独自の訓練を行っています。この様に、感染症対策においても当法人は全国的にも高いレベルを維持しているものと自負をしています。

これからも

2年連続の受賞は、我々の長年に渡る地道な努力や改善・改良に対する積極的な取り組みが成果を結び、高い評価を得て、受賞したものと思っています。今後も様々な情報を集め検討をし、時代に対応すべく、スタッフと共に知恵を絞り、地域医療に貢献をしていきたいと考えています。これからも皆さんのご協力の程、よろしくお願い申し上げます。この度の受賞、本当におめでとうございます。

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